明日殺されます
161号線を越えて琵琶湖に向かって歩き始めた。
民家など無く月の光しかない。
京子に会いたいと言う気持ちが大きかった。
自分自身で動いているより京子に誘導させられながら歩いている。
まるで催眠術にかかって京子の指示通りに動いているロボットのようだ。
京子のメールが届いた。

―早く来てー

一本道を抜けたら琵琶湖に出た。

周りは、砂浜で、琵琶湖の向こう側の光と月の光が見えるぐらいであり、
人の気配など全く無い。
本当に来るのか?など疑いは無かった。
「絶対来る!愛しているから」
普通、誰でも考えてみれば、こんなところにこんな時間に誰も来るわけない。
ただ京子が好きで、好きでたまらなかったから向かったのである。
だから自然と足が向いたと言うか京子に導かれたような感じである。
目の前は、琵琶湖である。
昼間に見ると琵琶湖全体が見れて、いい景色であろう。

―琵琶湖に着いたよ、今、どこ?ー

メールが鳴った。

―ここよー

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