明日殺されます
ノックと携帯のメールの音が同時に鳴り始めた。
いきなりピタッと音が止まった。
勇気を出し、ホテルのドアを開けに行った。
静まり返ったホテルの廊下には、誰一人いない。
慌ててドアを閉めて鍵をかけた。
またメールが鳴った。

―やっと入れた　入れてくれてありがとうー

背筋に鳥肌が立った。
ドアから離れた。
部屋は暗いがドアに何かいるのが肌で感じられる。
黒くて人の形をした影である。近づいて来る。
ベットにもぐりこんだ。

「もう帰ってくれ！　頼む！俺が悪かった。単なる遊びだったんだ。
だから頼むから帰ってくれ！」泣きながら何度も叫んだ。
影は、こちらに向かってくる。

「頼む！」

ベッドの下からも手が伸びてきて祐一の手足を掴んだ。

「うあ～」悲鳴を上げた。


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表紙・目次

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