明日殺されます

「しまった！
あの場所だったら
座れたのに～」

そんな事を考え
ながら乗客は、列車を待っていた。
ゆっくりと列車が、ホームに入ってくる。駅員のアナウンスは、事故を防ぐ事
より、

「いい加減に言う事を聞け！」

口調で怒鳴りながらアナウンスを
している。

「お下がりください！」

まるで小学生の
修学旅行生を纏める先生の口調である。並んでいる乗客の中から何人か
サラリーマンの男性が白線を越えて、
列車を待って
いる。
まるでマラソン
ランナーのスタートみたいな状況である。そんな乗客の中の一人が、待っている列から外れて携帯
電話を見つめ、
メールをやりながら、夢遊病者のように白線を越えて出て
きた。その一瞬を
運転士は、見逃さ
なかった。すぐさま危険を察知し、
ブレーキに手を
かけた。

「ヤバイ！」