明日殺されます
「え?そうなんですか?実は・・・・・・」


昨夜の事を話して彼女の写真を見せたとたんに住職の顔色が変わった。

「ちょっと、来てください。」

住職と一緒に、観音堂の中へ入っていった。

「これを見てください。」

昨日の朝刊を持ってきた。

―出会い系サイトでの殺人犯 滋賀県大津市の教員が死体遺棄容疑で逮捕!―
「大津市の教員が、女性を殺害し、比叡山坂本駅の近くの山林で遺体を捨てて、逮捕されたんです。貴方の見せた写真の女性がその写真の女性なのです。
その女性の葬儀を私が、やったのでよく覚えているんです。」

「え?」

「間違いなく自縛霊ですね。絶対、彼女とは、会わないで下さい。
会うと間違いなく向こうの世界の連れて行かれますよ。それとこの数珠を
常に離さず持ってください。」

「はい」

「彼女の恋愛は、未だ怨念として残っています。今日は、絶対に会わないで
下さい。」

「はい」

でも本心は、違った。
彼女を死ぬほど好きになった気持ちと本当の真相を知りたかった。
住職に一礼して別れホテルに帰った。
帰る途中に、いろんな事を考えた。
今までの事はなんだっただろ?夢か?現実か?頭の中が錯乱してきた。

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