明日殺されます
―祐一また会えたね。今度こそ一緒になれるからねー

「なんだ!これは!」

運転している女性の首だけが180度の周りこちらを見た。

「はじめまして やっと会えたね」と運転手が言った。

運転手の顔が京子の顔だったのだ。

「助けてくれ!」

「安心して田中君も一緒だから」

京子の顔だけが、後ろを向いている。笑顔で見ながら

「一緒になろう!」と言って運転手はスピードを上げた。

130kmのスピードでガードレールにぶつかりタクシーは大破した。
意識がかすかにあり、目の前に見えたのは、事故での出血で赤く染まった
運転手の携帯の画面だった。

―やっと一緒になれたねー

「死にたくない~」

心で叫びながら意識が遠くなった。


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