甘いチョコとビターな彼


私はその言葉にまた、むふふっ、と顔を綻ばせる。


「そうだよぉ!私の大好きなバレンタインが来るんだよー!」


「梓(アズサ)はチョコレートが大好きだもんね」


「えへへ、うん!」


小枝(コエダ)梓、高校2年生。
私が好きなものは、甘いもの。
中でも、チョコレートが1番大好きなんだ!


そしてもうすぐ、大好きなチョコレートが沢山貰えるイベント、バレンタインがやって来るの!


「今年は友チョコいくつ貰えるかなぁー」


「そういえば、この前言ってたチョコレートのお店、名前なんだったっけ?」


「【ショコラ・エテルニテ】だよ!
前にお姉ちゃんが買ってきてくれたんだけど、すっごい美味しかったの!高いから自分じゃ買えないんだけどね」


「ほんとに美味しかったなー」と思い出してニヤついていると、ナルちゃんが驚きの一言を放った。


「じゃあ、私が梓にあげようか?」

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