喫茶店の彼女


「……あ、…ありが、とう…」


情けない。こんな震えた声でしかお礼が言えないなんて、俺はどこまでもカッコ悪い。

でも、それでも、ずっと気にかけていたことだったから。

千紗さんの言葉が、俺の中に深く響く。

たった1人の言葉だけでこんな簡単に救われるなんて、俺は安いやつなのかもしれない。

でも、誰でもよかったわけじゃない。

千紗さんだから。
千紗さんだから、俺は救われたんだ。

< 48 / 98 >

この作品をシェア

pagetop