喫茶店の彼女


直樹くんの言葉に顔を上げれば、はにかんだ笑顔の彼が視界に映った。


「へへ、ちょっと変えてみた!」


「どうして……」


「…千紗さんの言葉が俺に向けられてたものじゃなくてもいい。
だって、それでも俺は救われたんだから。
だから今度は、俺が千紗さんを救う番。
ね、簡単でしょ?」


「っ!、」


優しすぎる直樹くんに、私はついに零れる涙を止めることができなかった。

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