喫茶店の彼女


私は涙を拭って直樹くんを見る。


今度は確かな声で、心からのお礼をしよう。


「本当に、ありがとう」


今、私が持っている、最大級の笑顔で。


「どういたしまして!」


前に見た最大級の笑顔で返してくれた直樹くんに、私は自分の中に、新しい感情が宿ったことを感じた────。

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