THE未来少年~オギノアキラニタイムマシンヲ~
お葬式には300人近くの人が集まった。

親戚もいたのだろうが、参列者の大半はバンドマンと友人で埋めつくされていた。

「最悪だよ。ライブでもこんなに人を、集められないのに最期の最期で……。」

棺を目の前にしても、中には白い布で覆われたモノが入っているだけで、彼がその下にいるとは想像も出来なかった。

誰が死んだかなんて実際には分からなかった。

電車に引かれたその体は引き裂かれ、

顔は彼の面影をうつしてはいなかったのだと、

両親の顔から想像できた


私は棺の中に花と、私が撮ったステージライトに照らされた彼の写真を入れた。

バンドのメンバーは自分達の写真と、彼が大好きだったザ・ブルーハーツのCD

手紙、その他色々な物を入れて別れを告げた。

彼の死は多くの人に影響を及ぼし、
悲しみと、苦悩と、寂しさだけを残した。

ただ時が経つのを待つしかなかった。

たくさんの記憶で彼との想い出を薄れさせるしか方法はなかった。


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