政略結婚はせつない恋の予感⁉︎
「本日はお忙しい中、わたくしなんかのためにお越しくださり、ありがとうございました」
わたしは深々とお辞儀をした。
「……それでは、わたくし、失礼いたします。
あなたもどうぞお気をつけて、お帰りくださいませ」
そう言って、わたしは高級料亭をあとにした。
なにか、口をあんぐり開けたマヌケな顔が、目に入ってきた気がしないでもないが。
まさか、あの斜に構えたイケメンが、そんな変顔をするわけがない。
……気にしないでおこう。