政略結婚はせつない恋の予感⁉︎
♡プライベートルームで補充してます♡
今日の業務が終了したので、言われていたようにプライベートルームへ行く。
ノックすると副社長の声が聞こえた。
すっかり慣れた手つきでカードキーを差し込み、ピッという解錠の音でドアを開ける。
「……今日はこれから接待で会食でしょ?」
ここからは「将吾さん」になった彼に尋ねる。
「ああ、そうだ」
ソファに腰かけてタブレットを操作していた将吾さんが、顔も上げず答える。
「美味しいものが食べられていいなぁ」
特に今日出向く先は、政治家たちも御用達の一流料亭だ。わたしは急がなければと足早にワードローブまで行き、中を確認する。
「ねぇ、補充するものって、なに?
……ワイシャツも…下着のシャツもあるし。
……あっ、ソックスかな?」
わたしが振り向くと、そこに将吾さんがいた。
ニヤッといたずらっ子のように笑ったかと思うと、いきなり肩を引き寄せられて、すっぽり彼の腕の中に入ってしまう。
「……どうしたの?」
わたしは将吾さんを見上げた。