政略結婚はせつない恋の予感⁉︎
゜゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*:.。. .。.:*・゜゚
商用が終わって、ケンちゃんである「葛城様」をお見送りするために、副社長の執務室を一緒に出る。
前室では誠子さんがわたしのデスクにいて、雑務をやってくれていたが、お客様が来られたので立ち上がった。
「あれっ……もしかして、誓子さんですよね?」
ケンちゃんが誠子さんの顔をまじまじと見た。
誠子さんが彼を見て、明らかに表情を凍りつかせる。
「誓子さん、おひさしぶりです。
おうちのお手伝いをされているとばかり思ってましたが……こちらにお勤めでしたか?」
……『ちかこさん』?
ケンちゃん、この人は「せいこさん」だよ、と言いかけたとき……
「こ…こちらこそ、ご無沙汰しております」
誓子さんでないはずの誠子さんが、なぜか一礼している。わたしの頭の中は「?」だらけだ。
「彩乃、また来るから。
……誓子さんもまた、お会いしましょう」
なぜか、ケンちゃんは満面の笑みで副社長室を出て行った。わたしたちはお辞儀をして彼を見送った。
商用が終わって、ケンちゃんである「葛城様」をお見送りするために、副社長の執務室を一緒に出る。
前室では誠子さんがわたしのデスクにいて、雑務をやってくれていたが、お客様が来られたので立ち上がった。
「あれっ……もしかして、誓子さんですよね?」
ケンちゃんが誠子さんの顔をまじまじと見た。
誠子さんが彼を見て、明らかに表情を凍りつかせる。
「誓子さん、おひさしぶりです。
おうちのお手伝いをされているとばかり思ってましたが……こちらにお勤めでしたか?」
……『ちかこさん』?
ケンちゃん、この人は「せいこさん」だよ、と言いかけたとき……
「こ…こちらこそ、ご無沙汰しております」
誓子さんでないはずの誠子さんが、なぜか一礼している。わたしの頭の中は「?」だらけだ。
「彩乃、また来るから。
……誓子さんもまた、お会いしましょう」
なぜか、ケンちゃんは満面の笑みで副社長室を出て行った。わたしたちはお辞儀をして彼を見送った。