政略結婚はせつない恋の予感⁉︎
「あいつは、おまえが枕を並べて合意の上に同意したヤツらの一人なんだろう?」
……はい?なんでそうなるわけ⁉︎
しかも、その文言よく覚えてるなぁー。
「彩乃……なんであいつとはできて、おれとはできないんだ?」
将吾さんがカフェ・オ・レ色の瞳をせつなげに揺らし、苦しそうに言った。
「ケンちゃんとは、なんでもないから」
この前、キスしてしまった海洋とは合意の上の同意で枕を並べたことがあるけれど、ケンちゃんとは一切そのようなことはない。キスすらないんだから。
「将吾さん……わたしを信じて」
わたしは手を伸ばし、彼の柔らかいダークブラウンの髪を撫でた。最近忙しくてヘアサロンに行けてないから、根元の方が少しだけ地毛のカフェ・オ・レ色になっていた。
……逆プリンだな。
そう思ったら、笑けてきた。
すると、将吾さんがこんなときによく笑えるな、という激怒りの顔になった。
……あぁ、ごめんなさい。
わたしは将吾さんの胸に飛び込んだ。
たちまち身体を反転させられ、彼がわたしの馬乗りになる。
「ケンちゃんが想いを寄せてるのは、誓子さんだから」
わたしは将吾さんを見上げて言った。
「……『ちかこさん』?だれだ、それ?」
将吾さんが顔を顰める。
「あ…それはね……」
わたしが説明しようとすると、
「待て……あとで詳しく聞くから」
そう言って将吾さんはくちびるで、わたしの口を制した。同時に、すでに露わになっていたわたしの乳房の先端を指でやさしくなぞり始めた。
「……ぁあ……んっ……」
ようやく、ガマンしていた声が出せる。
誓子さんのことはあとでいい……と、わたしにも思えるようになってきた。