政略結婚はせつない恋の予感⁉︎
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地下一階にあるそのブックカフェは、ニューヨーク発祥のジャズクラブ「Blue Note」の関連会社で、日本でライブハウスを持つブルーノートジャパンがプロデュースしたお店である。
店内で読める蔵書が二千五百冊もあり、Wi-Fiも使えるので一人でまったりするのに最適な場所だ。

先刻(さっき)、フレンチのランチを食べたばかりなので、自家製だというレモネードを頼む。

わからない英単語を調べるためにスマホを傍らに置いて、いざペーパーバックのページをめくる。
オースティンの小説の初めにありがちな、だらだらとした場面描写が続く。

主人公アンの父親と姉エリザベスの辟易するほどのナルシストぶりや妹メアリのワガママし放題に、アンが振り回されてきた背景が綴られている(ちなみに美しくて心優しき母親はすでに病死)

この辺りはまだ英語を日本語変換して、わからない英単語もスマホで調べながら読んでいる。
が、そのうちだんだん面倒になってきて、大体こんな感じの意味だろうな、と思う頃には英語がそのまま意識の中にすっと入ってきて違和感がなくなってくる。

ネイティヴではないわたしは、外国映画のDVDを観てるときもこんなふうに、いつの間にか英語がダイレクトに入ってくるまでにタイムラグがある。

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