政略結婚はせつない恋の予感⁉︎
うっ、よりによってこんな内容だったとは……
日本ではちょうど化政文化の頃に書かれたイギリスの小説だ。
主人公のアン・エリオットは準男爵の娘だが、生家は没落寸前で屋敷を貸しに出されることになる。その屋敷を借りたのが、八年前に周囲からの身分違いだというプレッシャーに耐えかねて、アンの方から婚約破棄した海軍軍人フレデリック・ウェントワースの、姉夫妻だった。
その姉夫妻の家に滞在することになった元婚約者を、アンは避けるようにして過ごすが、移り住んだ妹メアリの婚家で思いがけず再会。
三十代半ばで海軍大佐に出世して男っぷりもぷりぷりに上がったウェントワース大佐に対して、すっかり女っぷりもすっからかんになって婚期を逃した二十八歳のアン(わたしと同じ歳じゃん!)
ウェントワース大佐は昔の恨みを忘れてなくて、アンに対してなにかと冷たく接する。
頬がげっそりして老けたアンに「だれだかわからなかった」とディスりまくっている。
(自身もハイミスのままこの世を去ったジェーン・オースティンは、歳を経た女には塩対応で、妙にリアルだ)
しかし(そこは主人公なので)アンはだんだんとふっくらとして肌ツヤも良くなり、美しさを取り戻していく。
すると、父から準男爵を相続する権利を唯一持つ、従兄のウィリアムが現れ、アンに急接近するようになって……
わたしの拙い英語力ではとても一日では読めないけれど、たぶん最後はオースティンの大定番の大どんでん返しの末の大団円なんだろうな。