政略結婚はせつない恋の予感⁉︎
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披露宴が賑々しく始まった。
先月、親戚の慶人と蓉子も利用した、わが国を代表する老舗ホテルの、芸能人なんかの派手な結婚式でテレビ中継が入ったりする、美しい鳥の名がついた一番大きくて広い会場だ。
わたしと将吾さんも、今のところは、四月にこの会場で披露宴を行うことになっている。
そういえば、あのとき……
『いくつあるんだ、テーブル?まさか全部をキャンドルサービスで回るんじゃねえだろうな?』って、将吾さんがずらりと並んだ丸いテーブルを見て、心底げんなりした顔をしていたっけ。
……なんだか、何年も前のような気がする。
わたしは知らず知らずのうちに、ため息をついていた。
「……ちょっと、彩乃っ。どうしたのよ?」
左隣の席の、再従妹の蓉子が訊いてきた。
「将吾さんが来てないから、テンションが上がらないんじゃねえの?」
右隣の席の、弟の裕太が余計なことを言う。
「僕と蓉子の披露宴だったのに、主役はどっちだ?っていうくらい、君たちには高砂席でイチャつかれたからね」
蓉子の隣にいる彼女の夫となった慶人が、にやりと笑う。
「彩乃、政略結婚って言ってたくせに、いつの間にあんなに富多とラブラブになったんだよ?」
慶人の隣の、蓉子の兄の太陽が興味津々に訊く。
「もう、今日は大地と亜湖さんの披露宴なんだから、あんたたち、ちゃんと前見なさいよっ」
高砂席の大地と亜湖さんが、はるか前方に見える。司会に雇った某テレビ局のアナウンサーがなにやらしゃべっているが、この周囲のテーブルはだれも聞いちゃいない。
名物のローストビーフや某国の女王陛下の名前がついた車海老のグラタンは、先月食べたばかりでもやっぱり美味しかった。
披露宴が賑々しく始まった。
先月、親戚の慶人と蓉子も利用した、わが国を代表する老舗ホテルの、芸能人なんかの派手な結婚式でテレビ中継が入ったりする、美しい鳥の名がついた一番大きくて広い会場だ。
わたしと将吾さんも、今のところは、四月にこの会場で披露宴を行うことになっている。
そういえば、あのとき……
『いくつあるんだ、テーブル?まさか全部をキャンドルサービスで回るんじゃねえだろうな?』って、将吾さんがずらりと並んだ丸いテーブルを見て、心底げんなりした顔をしていたっけ。
……なんだか、何年も前のような気がする。
わたしは知らず知らずのうちに、ため息をついていた。
「……ちょっと、彩乃っ。どうしたのよ?」
左隣の席の、再従妹の蓉子が訊いてきた。
「将吾さんが来てないから、テンションが上がらないんじゃねえの?」
右隣の席の、弟の裕太が余計なことを言う。
「僕と蓉子の披露宴だったのに、主役はどっちだ?っていうくらい、君たちには高砂席でイチャつかれたからね」
蓉子の隣にいる彼女の夫となった慶人が、にやりと笑う。
「彩乃、政略結婚って言ってたくせに、いつの間にあんなに富多とラブラブになったんだよ?」
慶人の隣の、蓉子の兄の太陽が興味津々に訊く。
「もう、今日は大地と亜湖さんの披露宴なんだから、あんたたち、ちゃんと前見なさいよっ」
高砂席の大地と亜湖さんが、はるか前方に見える。司会に雇った某テレビ局のアナウンサーがなにやらしゃべっているが、この周囲のテーブルはだれも聞いちゃいない。
名物のローストビーフや某国の女王陛下の名前がついた車海老のグラタンは、先月食べたばかりでもやっぱり美味しかった。