政略結婚はせつない恋の予感⁉︎
副社長の片方の口の端が上がり、ニヤリと笑う。
「見た目がやたら派手なだけの、ぼぉーっとしたお嬢さまじゃない、ってことだな」
……確かにお見合いのときは、ぼんやりしていたけれど。こんなわたしにも「朝比奈の血」は流れているんです。
一応、一族直系の総領娘なんですから。
「おれたちは、両グループがウィンウィンな関係になるための橋渡しだ」
副社長は右手を差し出した。
わたしはつられるままに、彼と握手した。
大きくて、意外にも節のしっかりした、がっちりした手だった。
……でも、もしかして、これって。
二人の間で、見事に「政略結婚」成立!っていうこと……だよね?
「……この先、あんたがおれのなにを見たって、絶対に婚約破棄させねえからな」
不意に……副社長のアーモンドの形をした目が……カフェ・オ・レ色の瞳が……
窓からの太陽の光を浴びて、金色にぎらりと輝いた。