政略結婚はせつない恋の予感⁉︎
「……うちに『三時の休憩』なんてあったか?」
超絶不機嫌な顔をした副社長が、執務室への扉を背に腕組みして立っていた。
……ごめんなさい、誓子さん。速攻でバレてしまいました。
「おまえ、他人の世話を焼いてる場合か?」
副社長が静かにこちらへ歩いてくる。
……し、島村さーんっ。来てくださーい。
わたしは心の中で、執務室にいるであろう島村さんを呼ぶ。
「そういえば」
わたしの目の前で、ピタッと立ち止まった副社長が言う。
「島村に少し、似てるよな……あいつ」
……え?あいつ?
「朝比奈 海洋だよ」
わたしは、副社長……将吾さんの顔を見た。
「あいつのところに……今、いるのか?」