政略結婚はせつない恋の予感⁉︎

「……彩乃さん?
会社にまで電話してごめんなさいね」

まさしく、お義母(かあ)さまの声だった。

「す…すみません。急に実家に帰ってしまって」

一応、話は合わせておいてあげよう。

「そんなことはいいのよ……それより、結婚式の引き出物の発注なんだけど」

……あっ、招待状以外にそれもあった。

「数が千以上でしょ?わたしの知人のところとはいえ、もうそろそろ頼まないと」

……ですよね~?

「それで、彩乃さんに実物を見てもらってからと思ってるのね。それで、急で申し訳ないんだけど、わたしの仕事の都合で明日の夜しか都合がつかなくて」

……そうだな。一度、ちゃんとお目にかかってお話しないとな。

「あ、わたしの方は、全然大丈夫です」

それから、明日の待ち合わせの時間や場所をやり取りするためにLINEのIDを教えてもらい、取り出した自分のスマホに登録した。

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