政略結婚はせつない恋の予感⁉︎

「か…海洋、わたし……シャワー浴びたい」

海洋の眉が険しくなる。

「なにを、今さら……別にいい」

そのまま「行為」を続けようとする。
すでに、わたしのなにも着けていない上半身は、海洋の思うままにされていた。

「海洋はちゃんとシャワー浴びたでしょ?
わたしは会社帰りの上に、外でお酒を呑んできたから、身体(からだ)をきれいにしたいの」

わたしは彼の漆黒の瞳を上目遣いで見た。
熱を帯びて濡れたように艶やかな、ぞぐぞくする瞳を……

「海洋とは……その……『ひさしぶり』だし?」

ようやく、海洋が身を起こした。

くしゃっと前髪を掻き上げ、

「……この流れのままで、いきたかったんだけどな」

渋い顔でぽつりと言う。

……ごめんね。わかってる。


わたしは、ベッドの周辺に散らばったワンピと下着を拾い上げ、いつも使っているシャワールームに向かった。

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