政略結婚はせつない恋の予感⁉︎

わたしはとりあえず、コンビニに入った。
こんな深夜に、キャリーバッグをがらごろして歩くのは見場もよくないし、第一危険だ。
わたしはスマホを取り出した。

まず「避難先」として頭に浮かんだのは、幼稚園のときからの親友の華絵だ。

だが、華絵には家庭がある。(なんだか、こんなふうに言うと不倫みたいだが)
しかも、住んでいるところが逆サイドのベイエリアだ。終電も出たし、住宅街なのでタクシーも流れていない。

本当は、マンションの駐車場にあるゴルフRをかっぱらってきたかったのだが、キーはリビングに置いてあった。そんな「危険」は犯せない。

こんな深夜に転がり込める、しかもここから近いところなんて。

……いや、あるぞ。

わたしはLINEのアプリをタップした。

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