政略結婚はせつない恋の予感⁉︎
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誓子さんのおうちはベタな言い方だけど、これぞ「白亜の豪邸」だった。

夜目にもわかる、まるでカリフォルニアの青い空の下にありそうな白壁のプール付きの邸宅である。建物の前には椰子の木も植わっている。

「お部屋は余ってるから、好きなだけいればいいわ。でも、今夜はいろいろ話を訊きたいから、わたしの部屋ね」

絶交中のお父上ご自慢の地下のワインセラーから、赤丸急上昇中な人気のカリフォルニアワイン、オーパス・ワンを無許可で調達してきた。
フルーティでぽってりした味がいい。

誓子さんもイケる口のようで、注いだかと思えば、グラスをぐるんぐるん回して空気を含ませ、こくこく呑んでいる。

「ビバ!オーパス・ワン!!」

誓子さんが声も高らかに讃える。

オーパス・ワンのどこが「ビバ!」なのかは不明であるが、一宿一飯の恩義を受ける身、ここは波風を立たせたくはない。
わたしも「ビバ」っておこう。

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