政略結婚はせつない恋の予感⁉︎
「……ねぇ、ここって、バスタオルどころかタオル一つないんでしょ?フライパンもないんじゃないの?どうやって料理するのよ?」
すると、将吾が甘い声でこともなげに言う。
「あとで、買いに行けばいい。今夜から週明けまで、ここで泊まるから」
……はぁ!?
「彩乃、覚悟しろよ。
今夜は、朝まで、おまえを抱くからな。
朝までおまえを、絶対に寝かさねえからな」
……まだ真っ昼間なのに、なに言ってるの!?
「今夜から週明けまでって……まさか、会社に着ていくスーツも買いに行くの?」
「ここは南青山の会社の近くだ。会社のおれのプライベートルームには着替えがある。
……確か、おまえのスーツもあったよな?」
クリスマスに、会社帰りに婚約指輪を取りにブシュロンへ行くのにワンピに着替えたため、脱いだスーツはシワにならないようにと、プライベートルームのワードローブにしまったのだった。
構うことなく、将吾のくちびるが……舌が……わたしの首元から鎖骨にかけて滑り落ちていく。
大きな手のひらはすでに、わたしの両方の乳房をすっぽりと包み、それぞれの親指が一番敏感なところを刺激している。
「わたし……昨夜、あなたのお母さま……マイヤさんに……あなたとはダメになったって……言っちゃったんだけど?」
このままいくと、将吾の術中に完全にハマってしまうわたしは、苦しまぎれに言った。
が、しかし。
そんなことか、と鼻で笑われてしまう。
……そして。