政略結婚はせつない恋の予感⁉︎
「おまえ、覚えてないのか?」
わたしの鎖骨のさらに下へくちびるを、わたしの乳房からさらに下へ手のひらを、這わそうとしていた将吾が、わたしを見上げる。
「おれが前に、
『この先、あんたがおれのなにを見たって、絶対に婚約破棄させねえからな』
って、言ったこと」
それは確か、将吾と「大橋」さんが抱き合ってるのを見たときだった。
「少し、変えるぞ」
なんだかあのときが、ずいぶんと昔のことのような気がする。
「……この先、おまえがおれのなにを見たって、絶対に離婚させねえからな」