政略結婚はせつない恋の予感⁉︎
「……仕方ねえな。直接、行くか」
わたしを抱きしめたままの将吾が、低い声でつぶやいた。
「彩乃、あさひ証券の会長に至急アポ取ってくれ」
……ちょ、直接対決!?
わたしは、ぶるぶるぶるっと震えた。
「大丈夫だ。おれがそのじいさんに会って、予定どおり来月に彩乃と結婚式を挙げられるように、交渉するから」
そう言って、将吾は帰ってきてから初めてのキスをした。そのキスが深くなるにつれ、だんだんなにも考えられなくなってくる。
そして、そのままその夜もやっぱり、
……わたしは将吾から「キズモノ」にされた。