政略結婚はせつない恋の予感⁉︎

「むしろ、どちらかといえば……主人の方が真也さんに似てるわねぇ。相手の方は壮一郎さんに似ていたもの」

「真也」が大地の父親で「壮一郎」が慶人の父親である。

「「ええぇーーっ!? 」」

「相手の方は元華族のお家柄よ。うちのおとうさまは、そちらと結婚してほしかったみたいなの。主人のことは『成金の株屋』って毛嫌いしていたもの」

話がずいぶん違うじゃんよっ!
だったら、上條のおじさまを嫌うのは「近親憎悪」みたいなもんじゃん!

「……あの、クソじじい」

将吾が低い声で唸った。

どちらかといえば、将吾も「近親憎悪」される方のタイプだな。つまり、俺様ってことだ。


……それにしても、大地のヤツ。
あの松濤のおじいさまを、ぎゃふん、って言わせてくれる相手をしっかり連れてきたな。

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