政略結婚はせつない恋の予感⁉︎
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結局、クリスマスイブだというのに、だらだらと過ごしていたら、時刻は午後十一時を過ぎていた。お風呂も入ったし、明日は仕事だし、そろそろ寝るか。

……突然、スマホが鳴った。

LINE通話で、画面には【富多 将吾】と出ている。

……普通、LINEのトークで都合を聞いてから通話するよね?それとも、なにかあったとか?

そう思いながら、画面をタップする。

「……どうしたの?」

と訊けば、

『……終わった』

憔悴した声が返ってきた。

「お疲れさま」

やっとアメリカ支社のトラブルが片付いたのだ。

『明日、行くからな』

……どこへ?

『仕事が終わったら、取りに行く』

……あ、ブシュロン ね。
月曜で平日だから、終業後ってことね。

「取ってきてくれるの?
……あ、そうか、将吾さん、結婚指輪のサイズ測らなくちゃいけないもんね」

一瞬の沈黙のあと、

『……一緒に行くんだよ』

スマホの向こうから、地を這うような、低ぅーい声が聞こえた。

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