か・て・き・ょ♥️
誠治が聞いてきた。
私は首を振って、
「ううん、何でもない」
急いで誠治から顔を離した。
その様子を遠くから見つめるーーー
紗枝の姿が見えたから。
結局この後、北海道に着くまで私と誠治の間で会話が交わされることはなかった。
「着いた〜!気持ちいい〜!」
「あ!こら!梨奈子!勝手にどっか行かないの!」
北海道に着いてすぐに空港内を走り回る梨奈子の腕を掴みながら紗枝が注意する。
「紗枝ってほんと梨奈子のお姉ちゃんみたい」
微笑ましそうに言う私に紗枝はため息をつきながら、
「こんなんが妹だったら毎日大変すぎるわ」
苦笑した。