か・て・き・ょ♥️
「やだよ、寝れなくなる」
顔にパックをしながら紗枝がゆっくりと振り返る。
その姿はまるでーーー
「ギャアー!出た!お化け!!」
まるで幽霊のようだった。
「誰がお化けだ、もう、失礼すぎ〜」
むぅ、と口を尖らせ紗枝は結っていた髪を解いた。
バサリと肩にかかる漆黒の髪。
「紗枝の髪って綺麗だよね」
私は前々から思っていたことを口にした。
すると紗枝は少し恥ずかしかったのか、右手で口元を押さえながらモゴモゴと、
「…振り向いてもらうために努力してんのよ」
「…っ!」
顔を赤らめながら言った。
うわぁ…、恋の力なんだ…
凄いな、紗枝は。
好きな人のために努力して…
…あれ?
私、努力してるっけ…?
いつも自然体すぎて……
もしかしたらこのままじゃ、いつか他の女の人にーーー