か・て・き・ょ♥️
「…?遥香?どうかした?」
「えっ!…あ、な、なんでもない…よ!」
紗枝はいつも鋭い。
私はいつも、その紗枝の鋭く優しい言動に助けられてきた。
もっとしっかりしなきゃ…!
パンッと両頬を手で叩き、喝を入れる。
紗枝みたいに、好きになってもらうための努力をしなきゃ!
可愛くなって、先生に褒めてもらうためにもーーー
「よし、もう寝よーか」
「えぇ、怖い話〜!」
「一人でしてろ!」
「やだー!ねー、さーえー!」
梨奈子の叫びも虚しく。
「おやすみ、2人とも」
「うん、おやすみ」
「明日は怖い話しようね!おやすみなさい!」
私は佐野先生にもっと好きになってもらうための努力をすると決心し、静かに眠りについたのだった。