あの日の涙。

私じゃダメですか？

それはまるで風のようで

5月3日、午後12時半。


私、高瀬友理は友達と机をくっつけ、お弁当を食べていた。


ブラウンの長いストレートヘアに、お人形さんみたいに可愛い顔。顔は幼く見えるけど私より背が高くて姉御肌な華は、私の小さな頃からの大親友だ。


私達は、席がどこであろうと決まって窓側に移動して食べている。


｢あ、来たよ｣


…そう、なぜならグラウンドで走る“葛西君”を見るため。


彼は陸上部に所属していて、毎日昼休みにこうして走っている。
毎日走ってるだけあって、大会での成績はいつもトップなんだとか！