あの日の涙。
女の子達は張り切って毎日お弁当を作っては、林間の端にあるスペースで走りきるのを待っている。


でも、葛西君はそのお弁当を受け取らない。


「俺、よく知らない人が作ったモン食えねぇから。」


そう、毎日冷たい声で言い放つ。


女の子達はそれを分かっているけど、それでもチャンスがほしいと諦めず作っては、葛西君が教室に帰った後で急いで自分で食べる。


私は、そうはしない。


だって、食べてもらえないってわかっているのに。
無理って言ってるのにどうして渡そうとするかが理解できない。
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