異世界征服
桜の木の下で
人それぞれ、価値観は違う。
アイツはずれてるとか、変な人とか、そんなの個人の見解に過ぎない。
その癖、人にどう思われてるかなんて知る由もない。
それに人はちょっと力をつければ、上下関係が生まれる。
上は下を蔑み、下は抗いもせず諦めて、そんな不愉快な光景を見せられる側も面倒だ。
かといってどちらの味方に回るわけでもない。
結局は、自分がターゲットになりたくない、それが人間の本能だ。
理不尽。
この言葉を考えた人は、どんな時に理不尽と感じたのだろうか。
まあそれはいいとして、今俺が、この世界を理不尽と感じることが出来るのは、その誰かのお陰だ。
誰かのせい、というべきか。
俺は、他人に興味はないし、他人に興味を持たれる気もない。
理不尽なこの世界を嫌っているし、人との関わりは必要最低限。
正直、生きていくのですら面倒だと思うことも、日常茶飯事なのだから。
「あ、いたいた神の子。神楽槙くん」
面倒事をこよなく嫌う俺は、人混みを避け昼過ぎに、高校受験の結果を確認しに来た。
どうせ合格だからと、わざわざ確認しに行かなくてもと主張したが、電話越しに祖母はいいから確認して来るんだ、と言って一方的に通話を切った。
俺は気が乗らないまま、学校に向かった。
そして今、この状況に至る。
結局合格だったから無駄足だったわ、知らない奴に神の子呼ばわりされた挙げ句名前も知られてるわ、なんて散々な日なんだ。
「どちら様ですか」
ただただ気味が悪いので名前を訊ねる。
「あ、名前まだ言ってなかったっけ。神代空良だよ」
まともな名前。
中二病ではないのか。
「用件は何」
神の子とか言うから、中二病の類いだと思ったが。
「私はディス…君達で言う異世界を救う為に、神の子である槙くんを探しに来た。よかった、案外早く見つかって」
訂正しよう、中二病だ。
俺は踵を返し、家に足を進めた。
「え、何?帰るの?私も行くー」
そう言ってスキップするように跳んで俺についてこようとする中二病に、ついてくるなと吐き捨てるように言い、振り返ることなく家に辿り着いた。
アイツはずれてるとか、変な人とか、そんなの個人の見解に過ぎない。
その癖、人にどう思われてるかなんて知る由もない。
それに人はちょっと力をつければ、上下関係が生まれる。
上は下を蔑み、下は抗いもせず諦めて、そんな不愉快な光景を見せられる側も面倒だ。
かといってどちらの味方に回るわけでもない。
結局は、自分がターゲットになりたくない、それが人間の本能だ。
理不尽。
この言葉を考えた人は、どんな時に理不尽と感じたのだろうか。
まあそれはいいとして、今俺が、この世界を理不尽と感じることが出来るのは、その誰かのお陰だ。
誰かのせい、というべきか。
俺は、他人に興味はないし、他人に興味を持たれる気もない。
理不尽なこの世界を嫌っているし、人との関わりは必要最低限。
正直、生きていくのですら面倒だと思うことも、日常茶飯事なのだから。
「あ、いたいた神の子。神楽槙くん」
面倒事をこよなく嫌う俺は、人混みを避け昼過ぎに、高校受験の結果を確認しに来た。
どうせ合格だからと、わざわざ確認しに行かなくてもと主張したが、電話越しに祖母はいいから確認して来るんだ、と言って一方的に通話を切った。
俺は気が乗らないまま、学校に向かった。
そして今、この状況に至る。
結局合格だったから無駄足だったわ、知らない奴に神の子呼ばわりされた挙げ句名前も知られてるわ、なんて散々な日なんだ。
「どちら様ですか」
ただただ気味が悪いので名前を訊ねる。
「あ、名前まだ言ってなかったっけ。神代空良だよ」
まともな名前。
中二病ではないのか。
「用件は何」
神の子とか言うから、中二病の類いだと思ったが。
「私はディス…君達で言う異世界を救う為に、神の子である槙くんを探しに来た。よかった、案外早く見つかって」
訂正しよう、中二病だ。
俺は踵を返し、家に足を進めた。
「え、何?帰るの?私も行くー」
そう言ってスキップするように跳んで俺についてこようとする中二病に、ついてくるなと吐き捨てるように言い、振り返ることなく家に辿り着いた。