一駅の距離
今日は朝、ほんの少し非日常を
体験したおかげか知らないが、
いつもよりスムーズに仕事が終わった。
今日は早く帰れそうだ。
仕事仲間に仕事を押し付けられるのも面倒なので
コソコソと退社することにした。


そうだ。たまには妻にケーキでも買って帰ろう。

何だかウキウキとしか気持ちで
買い慣れないケーキを買い帰宅した。
妻は何て言うだろう?驚くかな?喜ぶかな?

「あ、ケーキ…。どうしたの?今日は何か記念日だっけ?」

意外に薄い妻の反応にほんの少しガッカリしたが、
夕食の後、妻がケーキをコーヒーを一緒に出してくれた。

「何だか一緒にケーキを食べるなんて久しぶりね」
「たまには良いかな、って思って」
「…ふふ。何か新婚時代に戻ったみたいね」
「ははは。大げさだな」

…お。何だか良い感じだ。
最近は会話も少なくなってきていたから、
ケーキ作戦は大成功のようだ。


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