- 作品番号
- 1461982
- 最終更新
- 2020/06/07
- 総文字数
- 67,178
- ページ数
- 302ページ
- ステータス
- 完結
- PV数
- 16,352
- いいね数
- 0
- ランクイン履歴
-
歴史・時代13位(2021/09/28)
世の中は 空しきものと 知る時し いよよますます 悲しかりけり
今は昔。
時は、平安。
尊い身の上を持つにも関わらず、存在を知られてはならない、姫君がいらっしゃいました。
藤、橘、葵の三つの花の御名をもつ方で、花のように可憐で美しく、教養のある、素晴らしい姫君であられました。
彼女は、恵まれていらっしゃったのに、幸せを何一つ手には、出来ませんでした………
否、
姫君は、人ではなかったのです………
「嗚呼、何故私は、この世で一番愛した人を、この手で殺めなければならぬか。」
これは、私が聞いた物語で御座います。
いいえ、霊語で御座いましょうや。
☪︎⋆。˚✩
貴方さえいるならば、もし、貴方さえこの手に残るならば、もう、私は何も、望まないのに。
☪︎⋆。˚✩
『夢現物語』の主人公、葵の母や祖母達の物語を、他サイトで書いております。(プロフィールへ)
今は昔。
時は、平安。
尊い身の上を持つにも関わらず、存在を知られてはならない、姫君がいらっしゃいました。
藤、橘、葵の三つの花の御名をもつ方で、花のように可憐で美しく、教養のある、素晴らしい姫君であられました。
彼女は、恵まれていらっしゃったのに、幸せを何一つ手には、出来ませんでした………
否、
姫君は、人ではなかったのです………
「嗚呼、何故私は、この世で一番愛した人を、この手で殺めなければならぬか。」
これは、私が聞いた物語で御座います。
いいえ、霊語で御座いましょうや。
☪︎⋆。˚✩
貴方さえいるならば、もし、貴方さえこの手に残るならば、もう、私は何も、望まないのに。
☪︎⋆。˚✩
『夢現物語』の主人公、葵の母や祖母達の物語を、他サイトで書いております。(プロフィールへ)
- あらすじ
- 右大将家の姫君葵は、琵琶と横笛が得意な佳人。天上の国から堕とされた母を持つ彼女は、紅い瞳を持っていた。
落ちぶれ、異母妹の女房へと実家に引き取られた葵。そこで出逢った異母弟に惹かれるがー
目次
-
相関図
-
序章
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我が君は 千代に八千代に……
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世の中に 絶えて桜の……
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世の中は 空しきものと……
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うたた寝に 恋しき人を……
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うらうらに 照れる春日に…‥
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もろともに あはれと思へ……
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日に添へて うさのみまさる……
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風をいたみ 岩うつ波の……
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恨み侘び ほさぬ袖だに……
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君ありと 聞くに心を……
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明けぬれば くるるものとは……
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忍ぶれど 色にいでりけり……
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世の中を 憂しとやさしと……
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かくばかり 恋ひつつあらずは……
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恋ひ恋ひて 逢える時だに……
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我に露 あはれをかけば……
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恋すてふ 我が名はまだき……
-
忘らるる 身をば思はず……
-
住の江の 岸に寄る浪……
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嘆けとて 月やはものを……
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心にも あらで憂世を……
-
思ひつつ 寝ればや人の……
-
忘れじの 行く末までは……
-
君がため 惜しからざりし……
-
思ふにし あまりにしかば……
-
瀬をはやみ 岩にせかるる……
-
終 春の夜の
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