夢現物語
「いけませんわ、若君様。そんな、御身分に合わぬことをなさっては。」
とめる鈴鹿を他所に、貴久はお独りで盛り上がってらして、鈴鹿は、もうとめられぬと諦めた。
「此方で御座います。」
鈴鹿の案内で、貴久は、沙夜の曹司に向かい、中に入られた。
「昔、藤一条様を知っていたらしいのです。藤一条様から頂いた御文は、大切に保管していると申していました。…………あ、ありましたわ。」
探していた、お目当ての文箱を見つけ、若君の御為と何も考えず、開けた。
「えぇと、御文の御相手は、葵様と仰る方で御座います。」
とめる鈴鹿を他所に、貴久はお独りで盛り上がってらして、鈴鹿は、もうとめられぬと諦めた。
「此方で御座います。」
鈴鹿の案内で、貴久は、沙夜の曹司に向かい、中に入られた。
「昔、藤一条様を知っていたらしいのです。藤一条様から頂いた御文は、大切に保管していると申していました。…………あ、ありましたわ。」
探していた、お目当ての文箱を見つけ、若君の御為と何も考えず、開けた。
「えぇと、御文の御相手は、葵様と仰る方で御座います。」