夢現物語
「如何なさいましたか、北の方。」
相変わらずの、冷淡な口調で姫君はそう問われた。
一時期、貴久がお出でになった頃の瞳とは違い、まるで、死んでいる様な瞳をされて。
「お前のせいで、貴久が隠れた(死んだ)のだ、どうしてくれようか、藤一条。」
常からきつい視線が、更に、刺す様に注がれる。
「お隠れした方は、もう、戻っては来ません。それが、この憂世で御座いますよ。それは、北の方御自身、よく御存知でしょう?」
感情の何もこもっていない、言葉。
姫君はもう、感情は消えかかっておられた。
相変わらずの、冷淡な口調で姫君はそう問われた。
一時期、貴久がお出でになった頃の瞳とは違い、まるで、死んでいる様な瞳をされて。
「お前のせいで、貴久が隠れた(死んだ)のだ、どうしてくれようか、藤一条。」
常からきつい視線が、更に、刺す様に注がれる。
「お隠れした方は、もう、戻っては来ません。それが、この憂世で御座いますよ。それは、北の方御自身、よく御存知でしょう?」
感情の何もこもっていない、言葉。
姫君はもう、感情は消えかかっておられた。