夢現物語
貴久-嘗ての三条は、一緒に遊ばれた姫君が「紅い瞳」をしていたことを、覚えていらっしゃった。
「あのね、一条。」
その頃、貴久に、姫君は一条と呼ばれていらっしゃった。互いに、お住まいの邸の場所で呼びあっていられたのだ。(三条に住まう貴久、一条に住まう葵の姫君)
「僕はね、もう、此処に来られなくなってしまったんだ。」
その頃、貴久は、本邸に引き取られることが既に決まっていたらしい。
「三条………まぁ、貴方が?そんな、突然ね………」
「父様が、この間、仰っていたんだ。彼処の北の方に育てて貰うって。」
「あのね、一条。」
その頃、貴久に、姫君は一条と呼ばれていらっしゃった。互いに、お住まいの邸の場所で呼びあっていられたのだ。(三条に住まう貴久、一条に住まう葵の姫君)
「僕はね、もう、此処に来られなくなってしまったんだ。」
その頃、貴久は、本邸に引き取られることが既に決まっていたらしい。
「三条………まぁ、貴方が?そんな、突然ね………」
「父様が、この間、仰っていたんだ。彼処の北の方に育てて貰うって。」