夢現物語
『和泉へ。
貴女の御主人の藤の上様が、噂になっておりましてよ。
瞳の赤い女性ですって、気持ちが悪いわ、なんて言っていましたわよ。
此方の姫達がそう笑いものに出来ない程美しい方でしたのに。』
その女童は沙夜という娘で、和泉の幼馴染であった。
そして、昔は和泉と同様、葵の姫君にお仕えしていた。
『教養はないのに、誇りだけが高くていらっしゃる。まあ、迷惑でしてね。葵様が噂に上がってこないことを祈りましょう。まして、葵様のご存在を知っている方は父君だけ。バレたら、どうなるか、お分かりかしら。』
沙夜は和泉にその文を送り、返事を待った。
この邸のことを密告した理由なので、見つかれば、危うい。
貴女の御主人の藤の上様が、噂になっておりましてよ。
瞳の赤い女性ですって、気持ちが悪いわ、なんて言っていましたわよ。
此方の姫達がそう笑いものに出来ない程美しい方でしたのに。』
その女童は沙夜という娘で、和泉の幼馴染であった。
そして、昔は和泉と同様、葵の姫君にお仕えしていた。
『教養はないのに、誇りだけが高くていらっしゃる。まあ、迷惑でしてね。葵様が噂に上がってこないことを祈りましょう。まして、葵様のご存在を知っている方は父君だけ。バレたら、どうなるか、お分かりかしら。』
沙夜は和泉にその文を送り、返事を待った。
この邸のことを密告した理由なので、見つかれば、危うい。