夢現物語
「その話、乗っても………」
「ですが、父君様が反対なさってますよ。桜の君様は確かに美しくはあるのですが、とても楽器が苦手でいらっしゃって。」
「別に、楽器なんて、後で幾らでも、どうとでもなる。」
「それに、上流の姫君でいらっしゃるのですが…………父君様は、もっと身分高い姫君がよろしいと仰って、その縁談、蹴ってしまわれたのですよ。桜の君様も、十分、身分の高い姫君でおられるのに。」
「身分か………」
「桜の君様の御家は、貴方様の御家と家格もあまり変わりませんもの。(少し上)それなら、より高い身分の姫君が欲しい、というのも、納得がいきますわ。」
霞は若い女房らしくないことも、偶に言う。
「ですが、父君様が反対なさってますよ。桜の君様は確かに美しくはあるのですが、とても楽器が苦手でいらっしゃって。」
「別に、楽器なんて、後で幾らでも、どうとでもなる。」
「それに、上流の姫君でいらっしゃるのですが…………父君様は、もっと身分高い姫君がよろしいと仰って、その縁談、蹴ってしまわれたのですよ。桜の君様も、十分、身分の高い姫君でおられるのに。」
「身分か………」
「桜の君様の御家は、貴方様の御家と家格もあまり変わりませんもの。(少し上)それなら、より高い身分の姫君が欲しい、というのも、納得がいきますわ。」
霞は若い女房らしくないことも、偶に言う。