夢現物語
「私達、上流の姫はね、恋の自由は、ないの。」

二人とも、自分から何も言ってはいないが、共に相思相愛状態である。

「忍君。」

「なんですか?」

「恋は、如何して、『恋』と言うか、分かります?」

満月の映る、池の前まで来て、橋の上で、桜は後ろにいた忍を振り返った。

「うぅむ、何故でしょうか。」

「来てしいから。」

「来てほしいから?」
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