夢現物語
…………
何故、此処に存在しているのだろう。

桜は思った。
無理矢理、従者に車に押し込められた。

「待って!まだ、車を出さないで!」

従者の手を振り切り、桜は車から飛び降りた。

「お願いよ、忍君を、離して!」

忍は、従者達に地面に押さえつけられていた。

「もう、おやめなさい!」

泣きそうな声で、叫んだ。

「その方は、私を連れ去ったのではありませぬ。私が自分の意思で付いて参ったのです。」
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