夢現物語
叫んだ。声にならないような声で。
泣いた。涙が枯れるまで。きっと、一生分の涙を流した。

邸に着いた。
明日からは、きっと、何事もなかったが如く、時が過ぎる。

「うぁぁ。」

手当たり次第物を投げた。滅茶苦茶に調度品を、壊した。

今日の日がなかったことにならない様に。
永遠の恋をしたあの人を忘れないために。

「あぁぁぁぁぁぁ。」

この悲痛な声を、誰が聞いているのだろう。
誰が助けてくれるのだろう。

誰も、いないのに。
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