夢現物語
(えー。崇子様がいるのになぁ。面倒臭いよ。)

困惑していらっしゃる。
北の方は、気づいていなかった。

「そろそろまとめるつもりだから、待っていなさいね。」


「逢鈴。」

御自分の対の屋に戻られ、逢鈴を呼ばれた。そして、逢鈴を呼び、逢鈴の曹司に移動した。

「聞いていましてよ、若君。御縁談をまとめられたとか、北の方様が。」

「うん…………」

「それをお聞きになったら、どう仰いますかな、葵様。」

「崇………葵様が?」
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