夢現物語
「二人しかいないのか。」

「筝の名手の方は多くて御座いますよ。」

「筝か。僕は筝が弾けるから、それ以外がいいのだよ。」

「それと、申しておりませんが…………葵様は横笛も吹けるのです。」

「横笛?」

「横笛は、女性は吹かぬもの。ですから、あまり知られておりません。」

「凄いなぁ。横笛の演奏出来る姫君は、葵様だけであろう。」

「勿論で御座います!」

逢鈴は姫君が褒められて、とても誇らしくなっておる。
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