夢現物語
『至急、お頼み申し上げたい事が御座います。

寝る様に彼岸を見れる(死ぬ)と言う薬を、二つ程頂とう御座います。

決して、私の思いではありません。

若君が、死にたい、と思われていて、貴女様のことをお話したら、是非と仰せられたのです。

逢鈴』

それを書いた後、逢鈴は瑞希に文を渡すように言いつけた。

「頼んだわよ。私の、叔母様に、きっと、渡してね。」

それを渡して、逢鈴は貴久の元に参上した。

「今、瑞希に文使いを頼みました。」
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