夢現物語
「幸せにね、貴久。そう言っておいて。」

「承知致しました。」

「しかし、羨ましいわ。私は姉なのになぁ。 」

貴久と桜は同じ年である。貴久も桜も別腹なので、生物学的にも平気だと。


「御前失礼致します。」

逢鈴は包を二つ持って、やって来た。
まさか、と貴久はさとられた。

「お頼みになっていた品、お持ち致しました。これで御座います。」

「これが…………」

「いつ、お使いになるかは、御自身でお決め下さい。」
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