夢現物語
知って欲しいような、違うような、不思議な気持ちを押し切り、ついに決意された。

「貴久…………私、燕鼎はね……」

緊張なさっていて、震えて、おられる。それでも、一息吸って、また応え。

「天女の娘よ。今は、私自身が天女でもあるわ。だから、私は不老不死。きっと、永遠にこのまま。」

「そうか。」

人と、人ならぬ者の、恋。
叶わなかった物が、今、不幸だった、過去を遡るが如く、進もうとしている。

貴久は、嬉しさに、燕鼎に抱きつかれた。それに、彼女も従った。
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