夢現物語
桜が呆れ顔で言うと、負けじと若草も、
「もう、何人目かしら。十人はとうに超えているわよね。どうせ、私達に呆れて此処を出ていくのでしょう?だったら、教育係なんて、要らないわ。」
とケラケラ笑う。
「藤一条という女房で、上臈の方ですよ。無下に扱われては、なりませんよ。」
桜と若草は藤一条の藤は藤原の藤と思っているようだが、姫君の御名のは「橘」である。
姉妹であるのがバレないように、敢えて藤を用いてらっしゃるのだ。
「藤一条の君、お入りになって。」
讃岐は勿論、藤一条より身分が下なので、敬語を使っている。
「もう、何人目かしら。十人はとうに超えているわよね。どうせ、私達に呆れて此処を出ていくのでしょう?だったら、教育係なんて、要らないわ。」
とケラケラ笑う。
「藤一条という女房で、上臈の方ですよ。無下に扱われては、なりませんよ。」
桜と若草は藤一条の藤は藤原の藤と思っているようだが、姫君の御名のは「橘」である。
姉妹であるのがバレないように、敢えて藤を用いてらっしゃるのだ。
「藤一条の君、お入りになって。」
讃岐は勿論、藤一条より身分が下なので、敬語を使っている。